漆黒 能代 sikkokunosiro’s diary

主に思い出を書いています。いつか現在に追いつきます。

早めに通るべきだった道

中学校入学から二か月後。

周りが続々とまとまっていくなか、友達はできずひとりぽつんと椅子に座っていました。

小学校の頃は人数が少なくクラス替えがなかったため、教室に「知らない人がいる」という状況をあまり経験してきませんでした。そのせいか、他の人が怖く見えてなかなか自分を出せないのです。

始まり方もよくなかった。まず最初の授業があった日、国語の教材を忘れました。荷物を準備するとき、なぜそう思ったかはもう覚えていませんが「あ、明日国語ないんだ」と思ってしまいました。忘れ物に気付いた瞬間冷や汗がダラダラ。初日から忘れ物なんて絶対目つけられちゃう。先生がいなかったので授業が始まって先生が教室に入ってきたときに忘れ物の報告をしましたが授業前に来いと怒られてしまいました。さらにそのあと今日の授業をメモして家でノートに写して明日の朝見せに来いと言われました。心臓のあたりが奇妙な痛みに襲われました。嫌だなあ、という感情ではなく先生ってどこにいるんだ?そもそもこの先生の顔を明日まで覚えておけるのか?という不安や緊張からです。他にも忘れている人がいて、その人を監視していたからなんとかなりましたがその日の夜は恐怖でいっぱいでした。

次の日の朝、なんとかこなせたと思ってほっとしたのもつかの間。社会の時間。歴史の授業があるのに間違って地理の教科書を持ってきてしまいました。授業が始まった後に気付いてたため先生に知らせることができず。またも冷や汗だ~らだら。さらに先生が「もしかして歴史と間違えて地理持ってきた人とかおらんよな?まあ中学なんだからもうそんな人いないか」と冗談っぽく言ったのでますます出ずらい空気に。教科書を読む順番が回ってこなかったのでなんとか切り抜けることができましたが二日連続で肝を冷やしました。

次の日。今度は失敗しないように六回も荷物を点検してきました。今日は絶対何事もなく終わらせるぞ。そんな心意気で登校。しかし学校の門をくぐったとき、いきなり呼び止められました。本来は革靴を履いていかないといけませんでしたが間違って普通の靴で行ってしまいました。前の日に散歩に出かけたとき、靴をしまわなかったせいです。

これはその場で注意されただけであとに引きずるものではありませんでしたが三日連続のしくじりなので精神的にきますね。

そんなこんなで中学校生活への出鼻をくじかれ自信をなくし一人になっています。たかがそのくらいのことでと思うでしょうが彼は小心者ですからね。

彼はこのさき立ち直れるのか?一皮むけるか?そこそこ注目してほしいです。