漆黒 能代 sikkokunosiro’s diary

主に思い出を書いています。いつか現在に追いつきます。

『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』の感想 ※ネタばれあり

さあさあドラえもんの季節がやってきました。毎年楽しませてもらっているドラえもん映画ですが今回は例年に比べて特にレベルが高かったのではないかと思います。

見ている前提で話を進めるのであらすじは書きませんよ。

出ないでないとネタにされていた出木杉が最近映画に出まくることに危機感を感じている今日この頃。制作陣が使い方をわかってきましたね。

最初のほうはいつもの感じで進んでいきパラダピア発見。夜になってマリンバが忍び込んでいるところで「ああ、また見つけた楽園に敵組織来て友情を交えながら救う、っていういつものやつかあ」と思いましたが、マリンバがいい人だとなったところで、お?この映画いつもと違うな、と勘づきました。このマリンバが結構いいキャラしてましたね。半分テントウムシでかわいらしさがでました。

ジャイアンスネ夫、しずかちゃんが乗っ取られるのすごくこわかった。この、完璧でなくていいというテーマは日常で少し感じることはあるんですが、はっきりだされるとここまで響くんですね。あと三賢人もこわかった。大人が腹から声をだして命令してくるとびびります。

ドラえもんが虫にされてのび太だけが正気に戻るとこいいですね。ドラえもんとの友情の深さ。他の三人も体が揺れてはいたんですが復活まではいかず。のび太を助けるときに満を持して復活です。バッジがわれるのがかっちょいい!やっぱりみんなはこれじゃなきゃ。それぞれが自分の欠点を認めたうえで三賢人に歯向かう言葉を言う流れ、しびれます。

ちょっとひっかかった部分なんですが、ジャイアンが乱暴者、スネ夫いじわるはわかります。でもしずかちゃんが強情っぱりっていう印象はなかったです。映画のなかでちょっと見せますがもともとその印象はなかったので、ん?ってなりました。というかしずかちゃんがいい子過ぎて欠点探すの難しかったんでしょうね。あと今回の絵かわいかった。

三賢人の後ろからゆばーばみたいな博士出てきた。明確な描写があったわけじゃないですが三賢人はこのレイ博士が操っていたロボットみたいなとらえ方でいいですかね。レイ博士の過去を語るシーンの絵がスペースヒーローズのイカ―ロスを彷彿とさせました。

途中でママパパがのび太がいないのを寂しがるシーンがあるのですがこれのび太がタイムマシーンで旅立った当日に戻れてないことを見せる描写と思ったんです。でも結末見た感じちがった。単純にパパママがのび太を大事にしていることをみせるためにだしたのかな。

主要キャラ五人が例年になく活躍を見せる中で、ゲストキャラのソーニャの影が薄くなってないのがこの映画のいいところ。ドラえもんに死はNGかと思っていたのでここまで自己犠牲をするキャラが出てくるとは。悲しい、美しい爆発でした。もはや恒例となってしまっている夜の会話がなかったのも好印象。というかのび太との関わりがあんまりなく、ドラえもんの友達になっていて新鮮でした。今回は全体的にパターンからの脱却を図っていたような気がします。「ふんふんふんふん」も面白かった。

さすがに死んだままでは終われないのでソーニャ蘇生のめどをたてて、ママに0点見つかり終了。ここが少し間延びしたような気がしたので切って、のび太ドラえもん虫を見つけたところを感動的に描いてほしかったです。ドラえもんからしたら虫にされてなんとかのび太に危険を伝えようとするけど投げられて、っていうけっこう大事な場面だった思うんです。そこがあっさり片づけられたのがもったいなかったかなあ……

音を出さないように吸音器使うけどのび太が音出しちゃうシーン。あれ缶倒す前にがっつり三人ともしゃべってるやんけ、と思って。ひそひそ大作戦をやってほしい。

ちょっと否定的な意見もだしてしまいましたが映画全体としてはかなりよかったと思います。でてくるキャラクター全員の目的もはっきりしていてわかりやすかったです。

最後に来年の映画の考察。みんなが、笛やトロンボーン、バイオリンなどを持っていました。音楽系?剛田君のミュージシャン魂が燃え上がりそうです。絶対ⅭⅮ売れる。音楽ものは最近キテますからね。音楽の映画は過去になかったのでおそらく新作ですね。二年連続で新作やってくれるとは。2024年、楽しみに待ってます。