漆黒 能代 sikkokunosiro’s diary

主に思い出を書いています。いつか現在に追いつきます。

点数つけてみた⑥

今回は細田守監督の映画でまとめました。

 

竜とそばかすの姫      85点

ネット上で非常に酷評されていた映画。どんなんなんだろうと思って見ましたがまあ確かにこれは批判意見出るよな~と。どうもツッコミどころが多すぎたと思います。四国から東京に行くのは遠くないか、行って何ができるんだ、クラスメイトの手のひら返し早くないか、竜の正体全然知らん人やった、とか、恵君に「大好き」って言われたけどいいの?、とか他にも無数の疑問点があります。Uのしくみも詳しく説明してほしかった。最初の方で「現実はやり直せない、でもUの世界ならやり直せる」みたいなこと言ってたのに、「Asは原則一人一体まで」?、ほなやり直せんやないか!と思いました。本当に今まで見た映画の中で一番ツッコミどころありました。でも四国のやつは笑っちゃいましたしおばちゃんたちが全員Uやってたことも面白かったです。ツッコミどころがもはやギャグまで昇華していました。

ストーリーは最初の電脳空間で歌姫になるところはワクワクしたんですが、バトル展開あたりでなんか違うな~となり、恋模様のところはよかったですけどUと現実世界と繋がるところもなかったので中盤は面白さが半減し、「雰囲気の良さで見た」という状態でした。グッと面白くなったのはカミシンとルカちゃんの絡みから。カミシンが面白いのはわかってたしルカちゃんの恥ずかしがってる感じも良い。あそこのカメラ固定のシーンは、いーじゃんいーじゃんと思って見てました。そこから鈴がオリジン状態で歌うところまでは神がかり的に面白かったし間延び間はありましたが恵君に会いに行って帰ってくるまでのくだりも「面白い」と感じるハードルはちゃんと超えてきたんじゃないかと思います。

やっぱり正体が全然面識ない人だったっていうのはどうなのかなあと思いましたが恵君がイケメンなので許す。キャラクターは出てくる人全員魅力的で嫌な人がいないことはグッドポイント(恵君の父親とジャスティン以外)(同一人物かも)

まあいろいろ言わている映画ですがここまで語れるってだけで出来の良しあしは置いておいて映画としては成功なんじゃないかなと思います。現に過去最長の語りになってますし。映像、音楽、キャラは完璧、脚本を誰かツッコんで一年練れば、というところ。

幾田りらさん上手すぎて全然気づかなかった。

                       

時をかける少女       92点

いやあ、ウルトラ面白いですねえ…時間戻せるという分かりやすくワクワクする設定で強さを維持させたまま最後までやり切りました。君の名はもそうなんですけど一直線にワクワクドキドキする要素を入れてくるのが一番面白いんですよね。最初の方はけっこう時間使ってて大丈夫かなあと思ったんですがこりゃ大大大丈夫だー。ウィキペディアにも書いてありましたがサスペンスと恋愛要素がものすごくうまくかみ合っていました。時間を戻すときの演出の近未来感が竜とそばかすの姫とちょっと似ていると思いました。この辺は細田カラーなのでしょうか。傑作だったと思うんですけど借りたDVDの調子が悪くてちょいちょい飛んだり止まったりして見づらくて話が入ってこなかったです。見れてない大事なシーンもありました。全部しっかり見れていたらもっと高得点だったかもしれないです。暇が合ったらまた見てみたい。                                                 

                         

未来のミライ        80点

予告編はすごく面白そうだったのになあ。未来の妹が来るっていうどう考えても面白くなりそうな設定があんまり活きてなかったです。物語の一貫性がないことと説明不足が多いことが主な敗因ですかね。急に索引の話されても困惑しますしカードも結局どうなったんだろう、と思います。展開がすべて庭がおかしくなって進むのでキャラが何をやりたいのか全くわからへん。ゆっこがなんでしゃべれるようになったのかもなんでミライがそこにいるのかもクジラのおかし鼻にのっけてる理由もわからへん。いくらあざがあったところで「もしかして…未来の…ミライちゃん!?」。吞み込み速すぎない?特にその出来事をあとでくんちゃんがお父さんに話した時のお父さんの理解の速さに驚いた。「未来のミライちゃんに会ったよ」って言われたら普通「どういうこと?」って聞くと思うんですけど。ゆっこが言っていた「未来のミライちゃんと赤ちゃんのミライちゃん、同時に存在できないってことですかね」がこの後に全くかかわってこなかった。なんで言わせたんだろ。ミライちゃんの目的も本当におひなさまをしまうだけだった。そんな迷信を信じるなんてというつもりないですけどタイムスリップしてまですることかなと思いました。ミライちゃんとくんちゃんの会話はよかったのでもっとミライちゃんを出してゆっこも足して三人行動が主体になればバランスがとれたと思います。くんちゃんが各エピソードが終わっても全然成長しないので見ていていいかげんにしろと思う部分がありました。

三作見てわかり始めましたが細田さんの作品は初速が遅いですね。あのへんで一気に人間関係や性格描写を見せる作戦なんでしょうがこの作品はそのゆったり感がずっと足引っ張ったまま振りほどけなかった印象です。物語のチャプター8つのうち4つ目でようやく未来のミライちゃん登場なので異常に遅い。もっとすぐ登場して話を進めてほしかった。

近未来的な演出は完全に細田カラーだと判明しました。

いいところも話そう。やっぱり未来の妹が来るっていう設定は絶対面白い設定なはずなんですよね。ミライの妹が来て帰れなくなって帰るための奮闘物語とかにしてもよかったかも。駅の忘れ物センターのところは話の展開に関係なく不気味ではらはらしました。あの辺から終わりまでだけ見返すとすごくいい映画のような気がします。上にも書きましたが映画としての一貫性が薄いことが大きな問題なので30分ずつのアニメとかだったらもっとよかったかもしれません。

やはりキャラ、音楽、絵はいいんですけどね……なんか面白くなりきらない。面白いは面白いけど「もっと面白くできるよね」と思っちゃいます。                                             

                                

サマーウォーズ       93点

全キャラ輝いてる展開もしっかりしてるお手本のような脚本でした。なんでこれを作れる人が未来のミライを生み出してしまったのか…    

設定や始まり方は竜とそばかすの姫に似てますね。というかこっちが先でしょうけど。佳主馬の見た目もなんとなく恵君に近い。

ほんとキャラが全員かっこいい!おばあちゃんかっこいい、わびすけおじさんかっこいい、夏希さん花札強すぎ、健二頭良すぎ、佳主馬君がんばれ、漁船ひっぱてきた人(名前調べるの面倒だった)、ワイルドすぎ。自分の気持ちに正直な人好きですよ。DSで参戦してきたときには笑った。話の最初のほうはラブリーな感じですすみ、健二が捕まって、おおどうなるんだと思ったところから家族愛が見える方向になり、映える花札バトルをした後暗号を解く名前の付けられない盛り上がり方をして最後は再びラブリーで終わり。いい映画はどこも面白いですがそれぞれの箇所で違う盛り上がり方をしてくれるので飽きません。

ボスが人間でないところもよさ。わびすけおじさんのキャラクターがすごく好きなんですよねー。そっけない態度をとっているのにパスワードをばあちゃんの誕生日にしてたり、急いで帰りたいあまり、ドリフトで庭に突っ込んできたり。夏希さんが惚れるのもわかります。最終決戦はあんまり役に立ってませんででしたが最後自分から名乗り出たところでわびすけおじさんをしっかり堪能しました。

今回見た細田守監督の作品も新海誠監督の三部作でもそうなんですけど、なんでちょいちょい変態的な描写挟むんですかね。あれのせいで胸をはっておすすめができないんですが。変態描写が機能してるとこあんまりないような気がする。けっこう減点しちゃってます。

細田監督の作品、まとめると

ストーリーは説明不足もあるけど、キャラが全員かっこいい。