漆黒 能代 sikkokunosiro’s diary

主に思い出を書いています。いつか現在に追いつきます。

いっぺんこういうスポ根みたいなの書いてみたかった

きたる、マラソン大会。

去年はコロナウィルスの影響で学校で行われましたが今年は校庭を出て、山の中を走ります。練習では「二十分間走る」や「校庭二十週」といった手ごわいメニューをこなし、筋肉痛に苦しみながらも強靭な足腰を手に入れました。

さあ迎える本番。集合場所は公園。初めて行く場所で、不安でしたが周りに同じ制服の生徒がいたのでついていき、無事到着。現地で体操服に着替え、ということになっていますが見たところ女子しか更衣室がない…。男子は青空更衣ですね。堂々とやってれば何事も恥じなんてありません。

集合時間。校長先生が全生徒の前に出て挨拶。歩いてもいい、タクシーで帰ってきてもいい、ヘリに乗ってでもいい、とにかく無事に帰ってこい!ということでした。ヘリで帰ってきたらマラソン史に残る伝説だろうな…マラソンは三年、一年、二年の順でスタートするので一番最後。先頭は道を間違わないように先生が原付バイクで先導してくれます。かっこいい。

念入りに体操をして、とうとう二年生のスタートの時がきました。

ようい、ドン!

生徒五十人ほどがそれぞれの思いを抱きながら長い道のりへの最初の一歩目ををややぬかるんだ地面に残していきます。まずは公園を中を一周。そのあと公園の外周を一周してから入山。学校ではずっと平坦な道でしたが山は高低差が激しく、ペース配分もうまくできません。最初にとんでもなく急な坂がありそこを超えるだけで足が固まってきてしまい、走り切るという覚悟も揺らいでいく中、やっとの思いで坂が終わったところに待機中の女子が。男子と女子は走る距離が違い女子は坂の上から走り始めるのです。

温かい声援をくれました。んん、元気百倍。少し走る歩幅を大きくして前へ進みます。

山の中は消しがずっと同じで自分の位置がよくわかりませんでしたが前からはもう折り返し集団が来ていました。少し焦ってところで、木々がなくなりガードレールの下は何百と連なる墓場。これを言うと不謹慎かもしれませんがこの風景は今までの人生の中でも最大級に美しかったです。後日、個人的に見に来たくらいです。足を止めてしばらく見ようかと思いましたが首を横に振り、前へ前へと進みます。

そして折り返し地点。靴ひもがいつの間にかほどけていたのでかたく結びなおし残り半分を終わらせに向かいます。帰りは下り坂が多く爽やかな風を浴びながら慣性に任せて足を右足左足と繰り出します。途中で歩きながら、どのくらいの順位が取れるだろうと話している人がいましたが人がいましたがこんな人は無視。真剣にやってからがスタート地点です。

さあ本当に最後の下り坂。もしここでこけたら大変なことになる。そう本能でわかるくらいの速度の中でゴールだけを目指して進みます。足の爪がはがれそうになっても変な声が出かけてもスピードはゆるめません。最初の公園に戻ってきて最後の内周一回。既に限界だと感じていましたがなぜだか終わりが見えると元気が出てきます。今日一番の走り。ちゃんと走った人全員にゴールテープを切らせてくれる粋な計らい。テープのど真ん中を走り抜けました。

終わったとはしばらくへたり込んでいましたが、ちょっと回復したら残りの人の応援をしました。みんなすがすがしい顔でゴールテープを切っていきます。お疲れ様ー!

次の日は意外に筋肉痛にはなりませんでした。