漆黒 能代 sikkokunosiro’s diary

主に思い出を書いています。いつか現在に追いつきます。

三倍学園

一般に、すべり止めと言われている高校は合格通知を出しても入学してくる生徒が少ないため、定員の三倍近くもの合格者をだしているという。店員百名に対して三百名の合格者。この物語は、なんらかのトラブルにより合格通知をだした三百人全員が入学してきたしまった高校の記録である。

今日は、三倍学園の運動会です。

 

プログラム1、開会式。今年から、生徒が三倍に増えたので校長先生も三人に増えました。「え~本日は天気に恵まれ、生徒たちが力を存分に発揮できることを嬉しく思います。つきまして、保護者様には~ホニャホニャ」

校長先生1の長~い話が終わり、校長先生2の話が始まります。

「え~本日は天気に恵まれ、生徒たちが力を存分に~ホニャホニャ」

さっきも聞いたような気がするな~。続いて校長先生3。

「え~本日は天~ホニャホニャ」

おっとここで忍耐力のない生徒が三人ノックアウト。戦う前から散ってしまったー。残った生徒も仏の顔を三つ消費済みです。このあとの競技は大丈夫なのでしょうか。

 

プログラム2、徒競走。生徒一人ひとりの出場機会を減らしたくないという学校側の意向から、今年は普通の、A、B、C組に加え、Ⅾ、E、F、G、H、I組の九組で走ることになりました。レーンの内側と外側ではだいぶ不公平感がでています。九番レーンの人にいたっては応援席につっこんでいますし、どうやって走るんでしょうか。

競技スタート。ワーワーギャーギャー。競技、終了。

まさかお客さん達に持ち上げられてロックフェスのミュージシャンのように運ばれてゴールするとは。最後投げ捨てられてましたけど大丈夫ですかね。

 

プログラム3、組み体操。普通は六段か七段の人間ピラミッドを作りますが、今回は人数が多いので、全員で二十四段ピラミッドを作ります。横幅十二メートル、高さは校舎越えの超巨大ピラミッドです。三百人の顔がずらり。ちなみにこれを実際にやると一番下の人ひとりにつきホッキョクグマにのしかかられたとき並の重さを感じるそうです。絶対に、やめましょう。

 

プログラム4、騎馬戦。ここまでの流れからしてわかっていると思いますが、十二人で一つの騎馬を作ってもらいます。組み方は自由。腕担当、足担当、頭担当と別れてスーパー戦隊のロボのように合体してもいいですし、十二人縦並びで連結して蛇のようにってもかまいません。チューチュートレインで相手を翻弄します。作戦が勝敗を大きく左右しますね。そして今、戦いがスタート……おや。

雨が降ってきました。最初はあんなに晴れていたのに。どうやら保護者も合わせて千人以上が一つのグラウンドに集まったせいで、人々の熱気で汗が蒸発し、水蒸気が雲を作ったようです。とにかくこの雨では競技ができません。非常に残念ですが、第一回三倍学園運動会、これにて終了。