漆黒 能代 sikkokunosiro’s diary

主に思い出を書いています。いつか現在に追いつきます。

フィナーレ義務教育

前回さらっと卒業しましたが、今回はちょっと時を戻して、卒業、中学編最後のお話。

卒業式の三週間ほど前から卒業文集が作られ始めました。一人一枚白い紙が配られそこに描いたものがあとでまとめられて文集になるらしいです。そこで何を書こうかなあと中学校生活を思い出して箇条書きしていたら「これでいいな」と思ったので自分の中学時代の出来事を年表のようにしてまとめることにしました。堅苦しいのはよくないので紅白の氷川きよしがすごかったことや映画「かがみの孤城」がおもしろくて初めて見に行った三日後に二回目を見に行ったことなどをかきました。

提出する直前に文字ばっかりで読みづらいなと思ったので当時自分の中で流行っていたオリジナルキャラ「ホケツ君」と「先輩」を描きました。自己満足です、ハイ。

時間がたち、卒業式前日、できあがった卒業文集を見て他の人の完成度に驚きました。クラスメイト全員に対して一言ずつコメントしてたり自分の思いを文にしたものを変形させて絵にするという離れ業を見せている人もいました。ホケツ君と先輩がかわいそうななってくるくらいイラストもいちいちとんでもない画力で描かれていました。

そして同時に配られたのが卒業アルバム。小学校のときのアルバムにもあったんですが後ろのほうに二ページほどなにも書いてないページが。ここは他の人に寄せ書きをしてもらうページらしいです。みんな貰ったあとの昼休み、ワイワイ書きあいをしていました。楽しそうですが、ほとんど人と話していない自分にはあんまり関係ないなと思って

お弁当を食べていると、「食べ終わったあとでさ、ここに寄せ書きしてくれない?」と隣の席にいた女子に言われました。全く予想してなかったオファーにちょっと慌てましたがうれしかったのでしっかり書かせていきました。たしか「十年後も、二十年後も、笑って生きてくださいね」と書いたと思います。なぜこんな言葉を送ったのか今考えるとわかりません。でもその子はこれを「センスがある」と感じてくれたらしく喜んでたと思います。そのあと、合唱部で一緒だった人や作文面白かったよという人にも書きました。意外とクラスメイトとして認められていたことにニヤニヤ(いやニコニコかな)しながら言葉を絞り出し書いていきました。

最終的には八人に書きました。相対的に見たら少ないかもしれませんが最初は中学生活捨てに行くくらいの勢いだったのでこれは歓喜に値します。そして書いている間にマイアルバムにも寄せ書きしてもらいました。作文面白かったとの声が多かったですね。というかそれ以外のことにはまったく触れられていませんでした。それはそれでどうなんだろう…まあ作文は気合入れてたので楽しんでもらえたみたいでよかったです。

卒業式。名前が順々に呼ばれて行きます。知ってる人の名前が出たときに反応してしまう自分にこの三年間の厚みを感じます。自分の名前が呼ばれたときは合唱部式の呼吸法で大きく返事をしました。校歌も確実に音階を合わせにいきました。校長先生の言葉も今日は染みます。(今日も)

式が終わると教室へ移動。最後のホームルームです。保護者の方も教室の後ろや窓際で我が子の成長を見届けます。一人ひとり名前を呼ばれ卒業証書を受け取り、みんなの前で最後の一言を伝えます。感謝の言葉、未来への言葉、別れの言葉。それぞれの思いをその一言にのせます。筆者の番。さんざん考えたのちにだした一言 「同じ学年で、同じクラスになれたことを、誇りに思えるような、素晴らしい人物になってください」

なぜか笑いがおきた。

ま、まあこれも自分らしい終わり方なんじゃないですかね。

その後も言葉は続き、感極まって泣き出す人もいました。泣いてしまうくらいの三年、素敵ですね。

最後はクラスのみんなで写真撮影。黒板を背にして教段の上に並びます。はみだしたせいで段に乗り切らず片足浮いた状態でしたが晴れ舞台を邪魔はできない。ふんばってクラスの思い出の中に残りました。

すべてが終わり通い続けた校舎を見たとき悲しくはありませんでしたが感情が一つ抜けたような気がしました。バイバイ、お世話になりました。

三年で身長が十センチくらい伸びました。